2005年12月07日

探査機「はやぶさ」試料の採取に失敗した可能性大?

探査機「はやぶさ」 試料採取は失敗の可能性大

 小惑星イトカワに着陸した探査機「はやぶさ」について、宇宙航空研究開発機構は7日、11月26日の着陸時に表面での試料採取はできなかった可能性が高いと発表した。得られたデータの分析から、着陸の際、表面に撃ち込むべき金属球を発射した記録が確認されなかったためだ。宇宙機構は今月中旬に、はやぶさをイトカワの周辺から離れさせ、地球へ向かわせる方針だが、依然として姿勢制御が難しい状況が続いている。(後略)

元記事:asahi.com
http://www.asahi.com/science/news/TKY200512070331.html



( ・ω・)ノなんて無情なんだ宇宙と言うのは!と言う感じですかのぉ。
宇宙はやっぱり最後に残された未知のフロンティアって奴ですかの。
て、宇宙と言っても同じ太陽系内で宇宙の規模からすれば同じ町内どころか、マンションの隣の部屋とか、隣の家とか程度の距離かも知れないんですけどもね。
それでも、「はじめてのおつかい」の如く未知の世界が広がってるわけですよ、「はやぶさ」とそしてスタッフの前には。
で、試料採取の為の金属球を発射したデータが見当たらないとあるわけなんですが、これがちょっと単純な話ではないみたいなんですのぉ。

ヽ(´ω` )宇宙航空研究開発機構(JAXA)でのプロジェクトマネージャー川口教授と的川教授の記者会見の内容は、例によって松浦晋也のL/Dさんの方に掲載されてるんですが、どうも11月27日に指令した姿勢制御の結果、川口教授曰く「大きな姿勢喪失または何らかの原因による電力喪失が発生した模様」で、「はやぶさ」内に漏れ出ていた燃料の気化に伴い、かなりの機器類に大幅な温度の低下が発生すると共に、発生電力の低下によってバッテリーの深い所で放電が発生した為に、「システム全般の電源系が広い範囲でリセットされたと推定される。」と言う事なんですね。

( ・ω・)ノこの放電はかなり大規模なものだった様で、データハンドリングユニットという、データを処理して送信する中枢機能を持つ装置の絶対時刻データや、データレコーダ(DRAM)のパーティション情報までも消えちゃってるそうなんですのぉ。
つまり、もしかすると発射したかも知れないけども、そのデータが吹っ飛んだ可能性も否定出来ない訳なんですのぉ。
ただ、川口教授の話では現状再生出来るデータレコーダの情報の中に弾丸を発射したというデータは残っていないと、しかし降下中に送信したコマンドは再生出来て、その中に着地前のシーケンス(この場合は自動制御の動作の順序)に弾丸発射系統を安全モードに戻して発射出来ない様にするコマンドが紛れていたらしいんですのぉ。

ヽ(´ω` )つまり、突貫作業の結果なんらかの人為的ミスが発生した可能性も否定出来ない状況だし、データは吹っ飛んじゃって残ってないし、更に1回目の長時間着陸した時よりも、2回目の着陸の時には高温になっているそうで、弾丸が発射された事を示唆するデータもあるそうで、現状では「はやぶさ」が帰ってきてくれて、試料の入ったカプセルを地球に届けてくれない事には真実はどうなったかよくわからない状況と言うわけですねぇ。

( ・ω・)ノ姿勢制御の為のスラスターはまだ不調だそうですしのぉ。
何しろ11月30日の段階では、火星探査機「のぞみ」の時にも使われた電波のONOFFと使っての通信(1ビット通信)でなんとかしてた状態でしたしのぉ。
その後12月1日にローゲインアンテナを使っての8ビット通信が断続的に行える状態までは回復、12月3日になって探査機「はやぶさ」のハイゲインアンテナ軸と太陽、地球のなす角度が20ないし30度拡大している事が確認され、イオンエンジン運転用のキセノンガスを噴射する事によって姿勢を制御する方法を採用し、ただちに運用の為のソフトを作成解し、翌4日にソフトウェア完成、実際にキセノンガス噴射によるスピン速度の変更を試みて、これに成功。
そしてその後すぐにこれによる姿勢変更を指令し実施と、実に大変な状況だった様ですのぉ。

ヽ(´ω` )しかしまぁ、スゴイ状況ですよね、もう立派に「プロジェクトX」で放送されそうな状況ですよね。
次から次へと困難が襲いかかってくるわけですからねぇ。
もっとも年内で放送終了ですが、「プロジェクトX」。
でまぁ、12月5日に太陽と地球とハイゲインアンテナ軸のなす角度が10度ないし20度と言う所まで回復してようやく、毎秒256ビット速度でミドルゲインアンテナ経由でデータを受信出来る様な状態になったと。
で、その後に火工品制御装置の記録を調べたら上記の様な事が判明したと。

( ・ω・)ノプレスリリースによると現在、「はやぶさ」は各機器を再起動して、動作の試験・確認を行っていて、今後Z軸リアクションホイール(生き残っている最後の1個ですのぉ)を使用する姿勢制御に移って、イオンエンジンの運転を再開し、地球への帰路に就く予定だそうですよ。
但し、今月の14日か15日までになんとかしないと、地球に送り返すカプセルがちゃんと地上に届かない角度になってしまう可能性があるんですのぉ。
でも、運転再開の見通しは早くても14日
めっちゃタイトなスケジューリングなんですが(汗)
でも、ここまで数々の困難にもめげずに頑張ってきた「はやぶさ」チームなので、なんとかこれも乗り越えて地球へ「はやぶさ」を帰還させる事が出来ると信じましょう。

ヽ(´ω` )もしかしたら1回目の着陸の時の舞い上がったチリが採取されている可能性もありますし、弾丸が発射された可能性も0ではありませんからね。
それに「はやぶさ」は工学実験衛星ですからねぇ、地球への帰還も立派にミッションの一つですから。
もちろん弾丸の発射が失敗している可能性が高い訳ですが、例えここで失敗してもこのデータを次に生かせば良い事ですからね。
まぁ、その為には継続的に宇宙探査を行う探査機を打ち上げないといけない訳なんですが。

( ・ω・)ノ技術というのは継承される事が大事ですからのぉ。
紙媒体やデータの形で、機械の姿形等は残されても、エンジニアの考え方や勘などのデータに出来ないものは、人から人へ継承される以外にないですからのぉ。
例えば、今のNASAにはかつて月へアポロを送り出したサターン5型ロケットと同じ物を作るだけの技術は無いと言う話もありますしのぉ。
今の方が遙かに技術的には進んでるはずなんですけどのぉ。
例えば、日本のからくり人形や時計などでも、今の技術で見てもどういう風に作っているのかよくわからない物があるらしいですからのぉ。

ヽ(´ω` )それも途中で技術の継承が失われてしまった為にわからなくなってしまった訳ですよねぇ。
一度技術は失われてしまうと、簡単には戻らないと言う事がよくわかりますね。
日本の宇宙開発の技術もそんな事にならない様に行って欲しいですね。
そう言えば来年の2月にはH-2AロケットとM5ロケットを続けて打ち上げる予定になってましたっけねぇ。
2月15日にH-2Aロケットが「MTSAT2号機」(ひまわり6号の兄弟機)を、18日にM5ロケットが赤外線天文衛星「ASTRO-F」を打ち上げるんですよね。
どっちも成功して欲しいですねぇ。

参考ページ
宇宙航空研究開発機構(JAXA)
http://www.jaxa.jp/
宇宙航空研究開発機構(JAXA)プレスリリース
「はやぶさ」探査機の状況について
http://www.jaxa.jp/press/2005/12/20051207_hayabusa_j.html
JAXA宇宙科学研究本部「今日のはやぶさ」
http://www.isas.jaxa.jp/j/enterp/missions/hayabusa/today.shtml
松浦晋也のL/D(JAXAの記者会見の詳しい内容が掲載されてます)
http://smatsu.air-nifty.com/lbyd/
posted by Giselle at 23:18| Comment(0) | TrackBack(1) | サイエンス(2005年) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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Tracked: 2005-12-08 12:54
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